1999/9/30東海村ウラン加工施設臨界事故の検証

今回の事故は、40数名の被爆者出したにもかかわらず、マスコミはすでに過去のものにしようとしている。
行政も、住民不安は収まらないのに、明確な被爆量も公表せず。
気休めの外部線量を測定し、うやむやのうちに過ぎようとしている。

社会は農産物などすでにキャンセルが入り甚大な損害になりつつあり、それに対する公の救済を望む。
不安と根拠のない風評に対し、もっと真剣に公の対策がとられなければ、住民の生活は保障されない。

国会は今日もそうだが、東海村臨界事故など終わってしまったかのような騒ぎだ。
このような事故を起こしても、おろおろする様は、事なかれ主義の行政を物語、誠に頼りない。
数減らしの行革でなく、未来を予測した行動が取れる組織作りになって欲しいものだ。
小渕首相まだ東海事故は終わってないぞ!


10/6 やっと視察にくる。
(株)ジェー・シー・オーの構内にて
 左から橋本茨城県知事、2人おいて小渕総理大臣、中曽根科学技術庁長官、
 木谷JCO代表取締役社長

住民不安は、十分な情報と説明がないのでまだまだ残る。
今回は被爆した可能性を、いろいろな資料から推測してみよう。
単位は厳密にはhousyasen量と吸収線量を区別するのが本来ですが、私も新しい単位は明るくないし、
混乱するだけだから、一つ(報道で最も使われたミリシーベルト)で表現します。
適当にhousyasen量と吸収線量を切り替えてください。
いかなる被爆かということを考える手助けになれば、過剰な反応をしなくて済みますし、
なんでもかんでも茨城産はダメと言う風評もを抑制する手段にもなると思います。
もちろん、被爆の恐ろしさも正しく再認識するでしょう。



外国プレス筋により事故の起きた建物の屋根が破損しているとの報道がなされておりますが、
科学技術庁の係官が現地において確認したところ、写真の通り屋根は破損しておりませんでしたのでここにご報告します。
撮影日時10/5 9:30 (JST)

裏マニュアル、製造を急いだ結果、今回の事故が生じた。


社会一般報道は、以下のように代表さえるけど、ほんとうにそうだろうか?
政府は、国家生命かけてというのは大げさかもしれないが、とのかく被爆3名には長生きして欲しいわけです。
なぜなら、嘘がばれてしまうからです。17シーベルト被爆で止めておきたいのです。
しかし、中性子線被爆というためかもしれないが、事態は深刻です。
ほんとうにわれわれは被爆してないのか?

今回の事故の特徴は、
茨城県が常時実施している大気中の放射性物質の測定では一時的に少し上がっただけだった。
事故に国や県が行った土壌、河川水の調査では、ほとんど放射性物質が検出されなかった。
以上から、今回の事故は外部への放射性物質の放出は多くなかった。
空気や水、住宅、農産物、などの放射性物質による汚染はなく、日常生活で体の外からも体の中からも強いhousyasenを浴びる心配はない。
しかし、臨界状態が起きた当時、中性子線は強烈で、四方八方に照射された。3人の被爆も中性子線によるものだ。
49人の被爆者のうち、工場の外にいて被爆したのは、約270mはなれたゴルフ練習場で作業していた7人。被爆したことは自然界にない放射性のナトリウム24が見つかったからだ。
ナトリウム24は、ナトリウムに中性子線が当たって出来る。これはβ線を出す。半減期は15時間。
7人の彼らは、βー腺の被爆より中性子線の被爆のほうが強いと推察されるが、いずれも被爆の程度は軽い。

(生物学的効果比を見てみよう。X線やγ線、0.03MeV以上の電子線・β線の障害を 1 とすると、低エネルギーの電子線・β線は 1.7、中性子線やα線や粒子線はその種類によって 10〜20 まで効果比が及んでいる。housyasenは電離を起こしエネルギーを失い(LET)ながら進むので、エネルギーロスの大きいほど、生物学的効果比(RBE)は大きくなる。)


<事故>

1999年9月30日(木) 15時11分
<被爆>東海村のウラン加工施設で放射能漏れ、3人被爆=再替(毎日新聞)
 30日午前10時半ごろ、茨城県東海村の核燃料製造メーカー「ジェー・シー・オー東海事業所」のウラン加工施設で、施設から放射能が漏れ出す事故が発生。従業員3人が被ばくし、水戸市内の国立水戸病院に搬送されたが、1人が重症、2人は軽症だという。
 県原子力対策課によると、事故は核燃料を製造する施設「転換試験棟」で発生。事故直後、周辺にある舟石川測定局で、housyasenレベルが通常の約10倍、門部測定局で同7倍に上昇した。同午後0時半現在、既に施設外への放射能漏れはなくなり、周辺のhousyasen量はほぼ通常値に戻ったという。
 東海村は周辺3世帯に避難勧告を出した。
 同事業所によると、容器から原料のウランが漏れ、青い火が出たという。転換試験棟にあるhousyasenモニターが異常を感知し、警報が鳴って事故が判明した。
 茨城県警ひたちなか西署によると、作業員3人はウラン溶液を充てん槽に移動する作業中に突然、倒れたという。
 県は臨界事故の可能性があるとみて、原子力安全対策課、公害技術センターの職員を派遣し、詳しい原因と周辺のhousyasenの影響の調査を急いでいる。
 現場の周囲200メートルは立ち入り禁止で、付近の県道が3キロにわたって通行止めになっている。
 JCOは旧社名、日本核燃料コンバーション。6フッ化ウランを原料に、二酸化ウランに転換、加工して電力会社に納入している。
 原子力資料情報室は「ウラン燃料を加工している工場で、臨界事故を招いたとしたら例がないのではないか。ウランを加工する際にはガスの状態から固体にする作業がされるが、臨界事故を招かないよう部屋の構造に工夫されている。何らかの爆発かシステムに異変が起きたのではないか」と話している。
 東海村では1997年3月にも、動力炉・核燃料開発事業団(当時)の東海事業所再処理工場の「アスファルト固化処理施設」で火災と爆発が発生し、作業員37人が被ばくしている。固化処理施設は、使用済み核燃料の再処理の過程で発生する低レベル放射性廃液とアスファルトを混ぜて固めていた。
 東海村役場の対策本部によると、今回の事故は、六フッ化ウランを酸化ウランに替える工場内での臨界事故の模様。対策本部は午後0時半に、「外に出ないでください」と1回目の防災無線を村内約1万2000世帯に流し、さらに0時55分には3回目の無線で「10時35分に被ばく者3人が出る事故が発生。事故直後に周辺のhousyasen量の空間線量率が上昇し、一時的に通常の約10倍になったところもあるが、現在は通常値になっており、付近住民の健康にただちに影響が生じることはないと考えられる」などと放送した。
 ◇臨界事故
 一定量以上のウラン235などに中性子が衝突すると、核分裂反応が持続的に進行するようになる。この状態を「臨界」といい、これに伴う爆発などで発生した事故を臨界事故と呼ぶ。原発で使われる核燃料の核分裂性ウランの割合は3〜5%以下と低く、この状態では自然に臨界状態には達しない。しかし核燃料の製造過程などで何らかのトラブルが発生し、核分裂性のウランが一定量以上集まると核分裂反応が急速に進む恐れがある。
[毎日新聞9月30日] ( 1999-09-30-15:06 )

1999年10月20日(水) 19時29分
被ばく作業員の搬送先、たらい回し=3施設、「マニュアル想定超える」(時事通信)
 茨城県東海村の臨界事故で、被ばくしたジェー・シー・オー作業員3人を搬送する際、東海村消防署が県のマニュアルに従い、医療施設に受け入れを要請したにもかかわらず、「設備が整っていない」などの理由で次々と拒否され、救急車が約1時間、足止めされていたことが、20日分かった。 
[時事通信社 1999年10月20日 19:29 ]

1999年9月30日(木) 18時7分
<速報・爆発>茨城県東海村ウラン加工施設で爆発、2人被曝か?(毎日新聞)
 30日午前10時35分ごろ、茨城県東海村石神外宿のウラン加工施設、ジェイ・シー・オー東海事業所で爆発があった。現場では4人が倒れており、2人が被爆した可能性がある。
[毎日新聞 09月30日]

9/30
1999年9月30日(木) 21時43分
<被ばく>1人は意識もうろう、1人重症 1人軽症 放医研会見(毎日新聞)
 housyasen医学総合研究所では午後7時から、佐々木康人所長ら6人が記者会見をした。3人は汚染状況の検査を行い、病棟に搬送された。2人が無菌室、1人が個室に収容されている。大内さんが下痢とおう吐を訴え、意識ももうろうとして症状が最も重い。篠原さんは、おう吐や下痢の症状が出ており重症。横川さんは軽症という。
[毎日新聞 09月30日]

1999年9月30日(木) 22時2分
通常の200倍以上の放射性物質検出=2人が被ばくで重症―核燃料事故(時事通信)
 茨城県東海村の核燃料施設で起きた放射能漏れ事故で被ばくし、千葉市稲毛区のhousyasen医学総合研究所に運ばれた作業員3人のうち、2人は重症で、体内から通常の150−200倍以上の放射性物質が検出された。国内でhousyasen被ばく事故による重症患者が出たのは初めて。3人はいずれも血液内の白血球数とリンパ球数が異常値を示しており、同研究所は「今の状況よりもかなり悪くなる可能性がある」としている。 
[時事通信社 1999年 9月30日 22:01 ]

1999年9月30日(木) 22時28分
housyasenは年間許容量の3、4倍=極めて高い中性子を検出−日本原研(時事通信)
 日本原子力研究所が30日午後5時、ジェー・シー・オー東海事業所の敷地境界で測定した中性子線量は3−4ミリシーベルトと極めて高く、ウランの核分裂反応が続いていることが分かった。このhousyasenレベルは一般の人の年間被ばく許容線量の3、4倍。ただ、同研究所などによると、放射性物質が敷地外に出ている可能性は少ないという。 
[時事通信社 1999年 9月30日 22:28 ]

1999年10月1日(金) 8時21分
東海村事故、現場から2キロのhousyasen量は通常の1万5000倍=茨城県(ロイター)
 [東京 1日 ロイター] 茨城県職員はロイター通信に対し、東海村の核燃料加工工場から2キロの地点で測定した放射能は、通常の1万5000倍に達していると述べた。
この職員は、「30日深夜、事故現場から2キロの地点で測定した段階で、1時間あたりのhousyasen量が 3.1ミリシーベルトと、通常の約1万5000倍の水準に達している」と述べた。
そのうえで、housyasen量が非常に高い水準のため、保安のための専門家も現場に近づくことができないと述べた。
今回の放射能漏れ事故では、少なくとも 19人が被ばくし、うち 2人は重体。
現場から半径10キロ以内に住む31万3000人は、屋内に退避するよう指示されている。

1999年10月1日(金) 11時11分
<速報・被ばく>冷却水を抜く臨界など作業の結果、臨界止まる(毎日新聞)
 政府対策本部によると1日午前3時前、ジェー・シシー・オー社員がウラン沈殿槽の外周の冷却水を抜く作業を開始、約30分後、冷却水を抜くバルブを開放した。
 この結果、科学技術庁は午前6時過ぎの段階で同事業所管理等の中性子モニターの値がゼロを示したことを確認。現地でも臨界停止を確認した。
[毎日新聞10月1日] ( 1999-10-01-08:35 )

JCO臨界事故の冷却水抜き・ホウ酸水注入作業写真
事故が発生した建物に接近するため、housyasen防護服とマスクを着用中の作業員。(管理棟及びその玄関付近)

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外部からアルゴンガスを加圧して送り込み、冷却水を追い
出すために準備したボンベのバルブを点検する作業員。
(管理棟玄関前)

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特設中性子モニターによって臨界離脱を見守る関係者。
(管理棟内)

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タンクにホウ酸水を満たして待機中の消防車。


写真提供: 住田原子力安全委員会委員長代理
撮影日 : いずれも10月1日   プライバシー保護の観点から、個人が特定できないようにマスキング処理をしました。

1999年10月1日(金) 18時11分
<放射能漏れ>決死の“水抜き” 被ばく覚悟の従業員、交代で(毎日新聞)
 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー東海事業所」で起きた臨界事故は発生から半日を過ぎた30日夜になっても、核分裂反応が連続する臨界が続いた。これを抑えるために専門家チームが下した決断は高いhousyasen量を示す転換試験棟に同社従業員が入れ替わり近づき、ウランの入った沈殿槽の冷却水を抜くという原始的な方法だった。18人の従業員が被ばくしながら水を抜いた結果、核分裂反応を鎮静化させるのに成功した。断続的に3時間にわたった“決死”の作業を再現する。
 ウランが核分裂を繰り返している沈殿槽の周りを流れる冷却水がなくなると、中性子が沈殿槽の外に飛び出すため、核分裂を繰り返す臨界は止まる。それが作業のもくろみだった。
 1日午前2時35分、最初の2人が不織布でできた防護服に身を包み、転換試験棟の外側にある冷却水のバルブに近づく。2人はバルブの周囲を写真に撮影すると、同38分には現場を離れた。わずか3分だったが、1人の線量計はガンマ線が11・92ミリシーベルト、中性子線は91・2ミリシーベルトを示した。国の法令で定められているhousyasen事業従事者の年間の被ばく許容線量は50ミリシーベルトで、これを短時間で超える被ばくをしていた。
 続いて同3時すぎに別の2人が敷地内に入り、冷却水を循環させるポンプの稼動状況を確認した。同3時22分には新たな2人がバルブを全開させる。
 しかし、バルブは全開になったものの、雨の夜で視界が利かないために、冷却水が流れ出ているのかが確認できない。
 そこで同4時すぎ、次の2人は冷却水の配管を壊したが、配管から水は排出されなかった。このため、窮余の策として、ガスを冷却水の配管に吹き込んで水を強制的に排出することにした。5組目がガスを注入する準備作業に入った。
 2人は2分間作業をしたが、線量計がガンマ線の値が5・73ミリシーベルトを記録し、警報が鳴ったため、作業を中断して退散した。9組目がガスの圧力によって冷却水が排出されるのを確認したのは午前6時すぎで、結局、計18人が現場に入り込み、少なくとも6人が50ミリシーベルトシーベルトを超える被ばくをした。 【高野 聡】
[毎日新聞10月1日] ( 1999-10-01-12:46 )

10/6
1999年10月6日(水) 19時15分
臨界事故「レベル5」と主張=NPOの原子力資料情報室(時事通信)
 茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で起きた臨界事故で、NPO法人「原子力資料情報室」(東京都中野区)は6日午後会見し、中性子線量などから推計した結果、事故は1979年の米スリーマイルアイランド原発事故と同じ「レベル5(施設外へのリスクを伴う事故)」であるとの見解を示した。政府は既に「レベル4(施設外への大きなリスクを伴わない事故)」との見解を示している。 
[時事通信社 1999年10月 6日 19:15 ]

10/15
チャコールフィルタの設置について
平成11年10月15日
事故調査対策本部
(株)ジェー・シー・オーは、ヨウ素131の放出をできるだけ低減させるため、チャコールフィルタの設置を検討してきたところである。
その結果、ヨウ素131を除去するとの観点から、(株)ジェー・シー・オーにおいては、転換試験棟室内の空気をチャコールフィルタを通して循環させるという、循環型のフィルタを設置することとしたが、これは、現段階で適切なことであると考えられる。なお、施設は目張りをしたままの状態で、転換試験棟の排気系は動かさないこととしている。
(株)ジェー・シー・オーにおいては、10月16日に、この設置工事を行う予定である。
 (参考)
  循環型フィルタの概略仕様を以下に示す。
   定格風量   ;28.3m3/min
   ヨウ素除去効率;99.9%以上

10/15
ホウ素注入に使用したホースの汚染について
平成11年10月15日
事故調査対策本部
(株)ジェー・シー・オーは、10月11日に実施した転換試験棟の窓等の目張り作業の際に測定した線量率が、ウラン試験棟と転換試験棟の間のドア付近において高かったことから、同部付近の線量率を再確認するため、本日午後、測定を実施した。
その結果、ホウ素注入に使用したホースに沿って線量率が高いことから、ホースが汚染しているものと考えられた。
このため、(株)ジェー・シー・オーは、ウラン試験棟内のホース付近の汚染拡大を防止するための措置を講じている。

10/18
1999年10月18日(月) 22時46分
現場のhousyasen、自然界の50万倍=転換試験棟で事故後初の測定−JCO(時事通信)
 茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所の臨界事故で、同社は18日午後、現場の転換試験棟内のhousyasen量を測定した。事故があった仮焼還元室には入らなかったが、室外から臨界が起きた沈殿槽表面に測定器を近づけたところ、自然界の約50万倍の1時間当たり55ミリシーベルトのhousyasenを検出した。事故後、同棟内のhousyasen量を詳しく調べるのは初めてで、科学技術庁は「ほぼ想定の範囲内」としている。 
[時事通信社 1999年10月18日 22:46 ]


<被爆>

9/30
株式会社ジェー・シ−・オー東海事業所の転換試験棟における従業者の被ばくについて(速報)
平成11年9月30日
科学技術庁
発生日時  平成11年9月30日(木)10時35分頃
発生場所  株式会社ジェー・シー・オー転換試験棟
状況
 株式会社ジェー・シー・オー転換試験棟でエリアモニタが吹鳴した。3名が被ばくし、救急車にて水戸国立病院に運ばれた。詳細は調査中。
調査及び措置状況
 原因については調査中。
影響
 敷地境界(南西側)で0.84mSV/hの空間線量率を確認。詳細は調査中。
当方の対応
 職員を現地に派遣し、現状の把握に努めているところ。

9/30 12:41 200m以内立ち入り禁止

9/30 15:00 350m圏避難要請

9/30 22:30 10Km圏屋内退避勧告


9/30
JCO事故時における那珂研究所のモニタリングデータ

那珂研究所のモニタリングポスト No.1(MP-1)、モニタリングポスト No.2(MP-2) 及びサーベイポイントの位置



中性子線等のhousyasen量測定データ



10/1
被ばく者数(12時05分現在)
平成11年10月1日
科 学 技 術 庁
JCOの従業員(関連会社を含む)
・作業中に被ばくしhousyasen医学総合研究所に搬送されたもの              3人
・ホールボディカウンタにおいてNa−24が検出され被ばくしたと考えられるもの  36人
住民
・JCO西側敷地境界近くにあるゴルフ練習場の建設現場で、足場の組立作業を実施
 しており、ホールボディカウンタにおいてNa−24が検出され被ばくしたと考えられるもの 7人
東海村消防署員
・JCO従業員(作業をしていた3人)の搬送作業に従事しており、ホールボディカウ
 ンタにおいてNa−24が検出され被ばくしたと考えられるもの           3人
                                    合 計 49人


10/3
ナトリウム24、 周辺の4地点から検出。うち2箇所からはこれまでの2倍量。
土壌が中性子により汚染を受けたことを表している。


10/4
多量に外に放出?? texco
1999年10月5日
16時46分
10月4日付けの新聞では,日本原子力研究所で今回の事故で反応したウラン量を0.4マイクログラム〜4ミリグラムの範囲であること推定しています。
(今後臨界になった溶液の分析を行えばより正確な反応量が算定されるでしょう)
最大でもU-235の4mgの反応では,生じる核分裂生成物(FP)も4mgということです。

とにかく,くだんの沈殿槽が熱で融けたり,破裂したりしないでそのままであるということは,爆発のようなことはなかったということの証拠です。

ちなみに200MeV/fissionとして原研の評価の最大値で発生エネルギーを計算してみると約94Kwhです。


10/5
放射性物質のストロンチウム91を検出 茨城県 Mitukaido
1999年10月5日
16時2分
 茨城県は4日までに、JCO東海事業所の南約1キロの測定地点で、放射性物質の
ストロンチウム91を検出したことを明らかにした。大気1立方メートル当たり0・021ベク
レルで、国の限度値の約2万5000分の1にあたり、県は「健康に影響はない」としている。

 ストロンチウム91は、ウランの核分裂でできた放射性ガスが崩壊してできる核分裂
生成物質。名古屋大学理学部の河田昌東(まさはる)助手は「臨界で放射性ガスが
多量に外に放出されたのだろう。ヨウ素131も高温で気化した気体の形で放出された
のではないか」と話している。

(毎日新聞1999年10月5日東京朝刊から)

ストロンチウムの半減期は30年と長いことが微量といえども住民にとって問題である。




9/30 20:00〜JCO周辺線量当量率測定結果  γ線 中性子測定


10/6


10/6

10/18
転換試験棟内のモニタリング結果等について
転換試験棟内のモニタリング結果等について
平成11年10月18日
科学技術庁事故調査対策本部
本日実施した転換試験棟内モニタリング結果について、(株)ジェー・シー・オーから 別添のとおり報告があった。
(株)ジェー・シー・オーは、この測定結果を踏まえ、引き続き、沈殿槽内のウラン溶液の試料採取作業手順の検討等を行うこととしている。

10/20


放射能遮蔽板の効果

ラジウム・コバルト60のγ線 普通のコンクリート
1/10 に減らす厚み 40cm 28cm 5.5cm
1/100 に減らす厚み - 50cm 8cm

これから、分かることは遮蔽板といわれるのは、完全に安全ではないということ、と相当の厚みを要し通常の鉄筋コンクリートぐらいでは遮蔽効果がないということです。


housyasenの最大許容量(職業上housyasen作業に従事するもの)

最大許容量
生殖腺、赤色骨髄 3rem/連続13週、平均5rem/年、
100mrem/週
生殖年齢婦人部腹部 3rem/13週、100mrem/週、
妊娠と分かった後、胎児に対し出産まで
1rem(平均30mrem/週)
皮膚、甲状腺、骨 8rem/13週、30rem/年
600mrem/週
水晶体、脾臓、リンパ腺 4rem/13週、15rem/年
300mrem/週
手、前腕、足、くるぶし 20rem/13週、75rem/年
1500mrem/週
緊急作行時 1回12rem
事故被曝 25rem まで(それ以上は医療処置)

今回どれほどの被爆が周囲の人に及んだか数値が出てない。
このような基準値大丈夫だ(安全だ)といわれても われわれは納得できるものではない。
これらの数値で何が起きてるのか明らかにされなければ・・・


体内被曝線量推測するには血液検査でおおよそが分かる。以下はその被爆線量と血球数の変化だ
(Wald,N,1971)(図は平嶋邦猛 埼玉医科大学)

これによると、4グレイ(Gy)以上は、白血球の減少が著名に現れることが分かる。しかも非可逆的だ。
今回の第一次被爆者もこれ以上であることは間違いない。
4000ミリシーベルト(mSV)以上出ていたことになる。しかも中性子で。

中性子の飛距離は、どうなるのだろう。10Km位は簡単に飛ぶらしいが、減衰が激しいのが特徴だ。今回の事故では、200-500m中性子が危険距離だろう。

全身被爆と症状と治療と予後の関係をまとめた資料がある
それから推察しよう。個人のプライバシーの問題もあるが、31万の生活を考えると
それをはるかに超える問題と考えている。推察のよりどころは新聞TV報道である。
(rad:ラド吸収線量の単位。mSV:ミリシーベルトhousyasen量の単位、1(グレイ)Gy=1000mSV、1rad-->10mSVに換算 )

(平嶋邦猛 文献より表現統一のため単位を改変)

線量 致死量以下 生存可能 致死的
1rad-->
10mSVに換算
0-1000mSV 1000-2000mSV 2000-6000mSV 6000-1万mSV 1万−1.5万mSV 5万以上mSV
治療 不要 経過観察 治療は有効 治療の可能性あり 対症療法 対症療法
前駆症状 なし 1000mSV:5%
2000mSV:50%
3000mSV:100% 100% 100%
前駆発現まで - 3時間 2時間 1時間 30分 数分
主障害臓器 - 造血臓器 消化管 中枢神経
主症状 軽度白血球減少 高度白血球減少、紫斑、感染、脱毛 下痢、発熱、 痙攣、運動失調、
被爆から
最重症期まで
2-6週 3-14日 1-48時間
治療法 鎮静 鎮静、要観察 輸血、抗生物質 白血球、血小板輸血
骨髄移植
電解質平衡維持 対症療法
予後 極めて良 要注意 要注意 - -
回復時期 - 数週 不定(治療効果による)
数週-数年
死亡率 - - 0-80% 80%以上 90%以上
死亡時期 - - 2ヶ月
死因 - - 出血-感染 ショック、腸炎 循環代謝不全
脳水腫

この表は、ずいぶん前に作成評価されたものであるので、現在の進歩した医学とは違うところがあるだろう。
とくに救命率は格段に進歩していることを期待したい。
被爆した方々には最前の医療で全快されることを祈るばかりである。合唱。

新聞報道によると、作業員は、テンカン様症状で倒れていたらしい、バケツで濃縮作業をしていたので、おそらく瞬間の放射能ではなく10-30分の被爆があったのだろう。


9/30
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について
平成11年9月30日
housyasen医学総合研究所
経緯
13時頃 国立水戸病院から放医研への搬送の連絡あり。

14:16  水戸ヘリポート離陸
     被ばく患者    3名(いずれも男性)
     国立水戸病院医師 1名
     現場作業関係者  1名
             計5名が搭乗

14:45 千葉ヘリポート(土気)到着
放医研専門家3名がヘリポートにおいてヘリの汚染検査を実施し、汚染のないことを確認。

14:58 救急車2台で出発

15:25 housyasen医学総合研究所到着

被ばく患者を緊急医療施設に搬送。
放医研専門家が救急車2台の汚染検査を実施し、汚染のないことを確認。

放医研における体制
 以下の体制で、患者の状況を確認中
 対策本部長 佐々木 康人 所長
  副本部長 河内 清光 研究総務官
  治療担当
       辻井 博彦 housyasen障害医療部長
       鈴木 元  同部室長
       明石 真言 同部室長
       中川 憲一 研究員
  線量測定(内部被曝)
       下  道國 内部被ばく・防護研究部長
  線量測定(外部被曝)
       藤元 憲三 人間環境研究部長
       中村 祐二 第4研究グループ総合研究官
  染色体による生体影響観察担当
       早田 勇  障害基盤研究部長
  housyasen安全管理担当
       門間 静雄 技術安全部長
       他


9/30
患者さんの状況

採血、血圧測定、点滴、ウランの解毒剤投与、ステロイド投与

35才男性 A
 血圧(プレショック状態より治療により回復)目が充血、重症の下痢、意識障害、顎下腺腫脹
 白血球高い(25,000)、リンパ球1.6%、発熱

39才男性 B
 血圧(130台)意識障害、応答あり
 白血球(13,000)、リンパ球2.0%、発熱

55才男性 C
 意識はっきり、白血球(13,700)、リンパ球5.8%、熱なし

 注)・白血球数の正常値は4,000から8,000、平均は6,000
   ・リンパ球の正常値は約40%

 なお、患者さんの吐瀉物、携帯電話からナトリウム24が検出された。その他の核種が混入しているか否かは、検査中。



10/1
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について (第3報)
平成11年10月1日
housyasen医学総合研究所

患者さんの状況について(14時現在)

全身状態は安定しているが、本格的なhousyasen障害がおこる時期は今後であり、予断を許さない。

3人とも経口食を開始する予定である。水は自分で飲んでいる。

○A(35才)

応対ははっきりしているが反応はやや緩慢である。
血圧は、100〜120/65〜75mmHg
体温は、37.0℃(16時現在)(入院時38.4℃)
嘔吐、下痢は止まっている。唾液線腫脹は変わらず、顔の浮腫が見られる。(不変)
点滴で電解質バランスを保つ治療をしている。(不変)

○B(39才)

意識改善
血圧は、110/55mmHg位
体温は、36.5℃(14時現在)
唾液線腫脹は変わらない。
点滴で電解質バランスを保つ治療をしている。(不変)

○C(54才)

安定が続いている。
血圧は、154/95mmHg位
体温は、36.3℃(15時現在)

本日の検査結果

○全員

頭部MRI、胸腹部CT、胸腹部単純X線
特に問題なし。

○A(35才)

白血球数 26,900
リンパ球 0.6%(26,900×0.006=161)

○B(39才)

白血球数 19,000
リンパ球 0.9%(19,000×0.009=171)

○C(54才)

白血球数  6,700
リンパ球 14.2%(6,700×0.142=951)


10/1
患者さんの状況について(18:00現在)

小康状態であるが、本格的なhousyasen障害がおこる時期は今後である。
3人とも今のところ絶食で様子を見ている。

○A(35才)

応対ははっきりしているが反応はやや緩慢である。(やや改善)
血圧は、120〜130/70〜80mmHgで安定している。
体温は、37.2℃(6時現在)(入院時38.4℃)
嘔吐、下痢は止まっている。唾液線腫脹は変わらず、顔の浮腫が見られる。
皮膚の紅斑は変わらない。
点滴で電解質バランスを保つ治療をしている。

○B(39才)

意識状態には若干の改善が見られる。
血圧は、120〜130/70〜80mmHgで安定している。
体温は、37.3℃(6時現在)
唾液線腫脹は変わらない。
点滴で電解質バランスを保つ治療をしている。

○C(54才)

意識に清明で苦痛の訴えはない。
自分で水を飲んでいる。
点滴しながら様子を見ている。
体温は、36.1℃(5時現在)


10/2
患者の所見
(1)B氏及びC氏2人に共通の所見
  ・容体は安定している。
  ・経口食を開始した。

(2)個人ごとの所見
  A(35才)
   意  識:清明
   体  温:37.1℃(転院直前)
   白血球数:28600/mm3
   リンパ球:0.2% 絶対数57/mm3
   血  圧:110/50(15時現在)

  ※ 今後の容体については、引き続き予断を許さない。
第4報で説明した理由から、東大病院に転院した。なお、
本日15時45分に救急車で放医研を出発し、16時36分
に東大病院に到着した。

  B(39才)
   意  識:清明
   体  温:37.5℃(16時30分現在)
   白血球数:21600/mm3
   リンパ球:0.6% 絶対数130/mm3
   血  圧:94/56(19時現在)

  C(54才)
   意  識:清明
   体  温:36.7℃(16時現在)
   白血球数:4800/mm3
   リンパ球:13% 絶対数624/mm3
   血  圧:150/98(19時現在)


10/3
(株)JCO被ばく患者経過報告(第6報)
平成11年10月3日
housyasen医学総合研究所
患者の所見

(1)B氏及びC氏2人に共通の所見

   ・容体は安定している。
   ・経口食を継続している。
   ・点滴は続け、体液バランスを調節している。
   ・感染対策を強化した。

(2)個人ごとの所見

  B(39歳)
    意  識    清明(不変)
    体  温    36.9℃(12時現在)
    白血球数    20500/mm3
    リンパ球    1%   絶対数 205/mm3
    血  圧    112/70(12 時現在)
    便  通    なし

 C(54歳)
    意  識    清明、比較的元気にしておられる。
    体  温    36.6℃(10時現在)
    白血球数    17400/mm3
    リンパ球    3%    絶対数 522/mm3
    血  圧    120/80(10時現在)


東海村臨海被ばく事故患者さんについて
平成11年10月3日
10:45〜
東京大学医学部付属病院

患者さんの臨床経過

意識状態は清明で、夜間はよく眠れたようです。 
血圧150/80、脈拍数100〜110/分、呼吸数19/分、体温36.7℃ で全身状態は安定しております。 
下痢は入院後1回あったのみで、現在は止まっております。しかし、全身の血管透過性の亢進が継続し、大量の輸液を必要としています。その結果、肺水腫の徴候が出はじめています。 
なお、末梢血のリンパ球数は0となりました。

今後の治療方針

今後の治療方針といたしましては、全身管理を継続するとともに、末梢血幹細胞移植をすることとし、その準備をしています。

その他

また、臓器障害が少しづつ見られるようになり、予断を許さない状態は続いております。

10/14
東京大学医学部附属病院
平成11年10月14日(木) 17:00〜
1.患者さんの臨床経過
 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。
 ・鎮静薬を投与中です。
 ・血圧:138/70mmHg、脈拍数:106/分、呼吸数:19/分、
  体温:37.3℃(午後3時現在)
 ・人工呼吸管理を継続しています。
 ・軽度の腎機能の低下が見られます。
 ・口腔から少量の出血があります。
 ・赤血球、血小板の輸血を必要としています。
 ・感染症が最も心配される合併症ですが、現在のところ、感染源は不明です。
 ・排便や下血はありません。
2.今後の治療方針
 ・人工呼吸管理、感染対策、栄養管理等引き続き、きめこまかな全身管理を行います。
3.その他
 ・依然として予断を許さない状態は続いています。

10/18
東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第17報)
平成11年10月18日(月) 17:00
東京大学医学部附属病院
1.患者さんの臨床経過
 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。
血圧:128/60mmHg、脈拍数:124/分、呼吸数:18/分、体温:38.0℃(午後3時現在)
鎮静薬を投与して、人工呼吸管理中です。
肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。
腎機能障害は横ばいの状態です。
housyasen熱傷部の水泡化が進みました。しかし明らかな感染はありません。
赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。
末梢血中の白血球数は、8,300/mm3に増加しました。
白血球の染色体検査から、増加した白血球は移植された血液幹細胞由来のものである  ことが確認されました。
38.0℃の発熱がありますが、依然として感染源は不明です。
排便はありません。

10/19
東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第18報)
平成11年10月19日(火) 17:00
東京大学医学部附属病院
1.患者さんの臨床経過
 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。
血圧:114/50mmHg、脈拍数:114/分、呼吸数:20/分、
体温:38.1℃(午後3時現在)
人工呼吸管理中です。
腎機能障害は横ばいの状態です。
housyasen熱傷部、特に右上肢の水泡化がさらに進みました。しかし明らかな感染はありません。
赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。
末梢血中の白血球数は、8,200/mm3です。(午前6時現在)
38.0℃の発熱がありますが、依然として感染源は不明です。
排便はありません。

10/20
東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第19報)
平成11年10月20日(水) 17:00         
東京大学医学部附属病院   
1.患者さんの臨床経過
 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。
血圧:150/74mmHg、脈拍数:116/分、呼吸数:20/分、
体温:38.0℃(午後3時現在)
引き続き、人工呼吸管理中です。
移植片対宿主病の徴候はありません。
肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。
腎機能障害は横ばいの状態です。
housyasen熱傷部の水泡化がさらに進みました。しかし明らかな感染はありません。
赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。
末梢血中の白血球数は、7,200/mm3です。
38.0℃の発熱があり、炎症の徴候はあるのですが、依然として感染源は不明です。
下痢便が2回ありましたが、下血ではありません。

10/21
東海村臨界事故被ばく患者さんについて(第20報)
平成11年10月21日(木) 17:00         
東京大学医学部附属病院   
1.患者さんの臨床経過
 基本的には昨日と比べて大きな変化はありません。
血圧:116/52mmHg、脈拍数:118/分、呼吸数:18/分、体温:38.3℃(午後3時現在)
引き続き、人工呼吸管理中です。
肺の状態は、X線写真上も機能的にも大きな変化はありません。
腎機能障害はやや軽快しました。
右前腕のhousyasen熱傷部の水疱化がさらに進み、通常の熱傷創とは異なる様相を呈するようになりました。しかし明らかな感染はありません。
赤血球、血小板の輸血をなお必要としています。
末梢血中の白血球数は、7,700/mm3です。
38.0℃台の発熱がありますが、依然として感染源は不明です。
排便はありません。
2.今後の治療方針
消化管機能の評価を進めます。
移植片対宿主病の予防、早期予知と治療に努めます。
人工呼吸管理、感染症対策、栄養管理、輸液管理等のきめこまかな全身管理を行います。
3.その他
依然として予断を許さない状態は続いています。


10/4
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第8報)

平成11年10月4日
housyasen医学総合研究所

1.39才男性 B
 ・点滴と経口食により、体液のバランスを保つ治療をしている。
 ・意識は清明。
 ・体温は37℃、血圧は116/68(14:30現在)
 ・白血球数及びリンパ球数はともに少し減少。
 ・尿は十分出ている。
 ・第7報のとおり、東京大学医科学研究所附属病院に転院した。
  なお、17:53に放医研を出発し、18:57に医科学研究所に転院した。

2.54才男性 C
 ・点滴と経口食により、体液のバランスを保つ治療をしている。
 ・意識は清明。食欲あり。
 ・体温は36.1℃、血圧は140/90(16時現在)
 ・白血球数は横ばい、リンパ球は若干増加。

10/5
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第9報)
平成11年10月5日
housyasen医学総合研究所

C(54才 男性)

 ・点滴と経口食により、体液のバランスを保つ治療をしている。
 ・意識は清明。食欲あり。よく眠れた様子。
 ・体温は36.8℃(10時)、血圧は120/80(13時現在)
 ・白血球数、リンパ球数ともにやや減少。
 ・今後しばらくは、消化管出血に注意が必要な時期です。

10/6
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第10報)
平成11年10月6日
housyasen医学総合研究所
C(54才 男性)
 ・引き続き、点滴と経口食により体液のバランスを保つ治療をしている。
 ・意識は清明。よく眠れた様子。
 ・体温は36.8℃(10時)、血圧は120/74(13時現在)。
 ・白血球数はやや減少、リンパ球数は横ばい。 

10/7
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第11報)
平成11年10月7日
housyasen医学総合研究所
54才 男性
 ・全体として容態は安定しています。
 ・経口食をよく食べるので、点滴を減らしていく予定。
 ・意識は清明。 ・よく眠れた様子。
 ・体温は36.7℃(6時)、血圧は112/72(6時現在)。
 ・白血球数、リンパ球数は横ばい。
 ・本日、歯科の治療を受ける予定。 

10/12
(株)JCO 作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第13報)
平成 11 年 10 月 12 日
放 射 線 医 学 総 合 研 究 所
54歳 男性
(9 日)土曜日
・ 容体は安定しています。
・ 体温は35.9 ℃ (6 時)、 血圧は110/70 (6 時現在)
・ 白血球数、リンパ球数 は横ばい。
(10 日)日曜日
・ 容体は安定しています。
・ 体温は35.5 ℃ (6 時)、 血圧は115/70 (6 時現在)
・ 白血球数、リンパ球数 は横ばい。
(11 日)月曜日
・ 容体は安定しています。
・ 体温は36.0 ℃ (6 時)、 血圧は120/80 (6 時現在)
・ 白血球数、リンパ球数 は横ばい。
(12 日)火曜日
・ 容体は安定しています。
・ 体温は36.1 ℃ (6 時)、 血圧は115/90 (6 時現在)
・ 白血球数、リンパ球数 は横ばい。

10/14
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第15報)
平成11年10月14日
housyasen医学総合研究所
Cさん 54歳 男性
容体は安定しています。意識は清明です。
体温は36.0 ℃(6 時)、血圧は110/80 (6 時)
白血球数、リンパ球数は減少傾向。

10/18
平成11年10月18日
housyasen医学総合研究所
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第17報)
Cさん 54歳 男性
10月16日 (土)
容体は安定しています。
体温は35.8 ℃(6 時)、血圧は130/90 mmHg (6 時)
白血球数、血小板数は減少傾向。
10月17日 (日)
容体は安定しています。
体温は36.0 ℃(6 時)、血圧は130/75 mmHg (6 時)
白血球数、血小板数は減少傾向。
10/17 血小板輸血を実施。
10月18日 (月)
容体は安定しています。
体温は36.2 ℃(6 時)、血圧は120/82 mmHg (6 時)
白血球数は減少傾向。
血小板数は輸血により増加。

10/19
平成11年10月19日
housyasen医学総合研究所
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第18報)
Cさん 54歳 男性
容体は安定しています。
体温は36.0 ℃(6 時)、血圧は115/80 mmHg (6 時)
白血球数は減少傾向。
感染予防のため、本日無菌治療室に移動する予定。

10/20
平成11年10月20日
housyasen医学総合研究所
(株)JCO作業員の被ばくに関する緊急医療状況について(第19報)
Cさん 54歳 男性
容体は安定しています。
体温は35.8 ℃(6 時)、血圧は140/75 mmHg (6 時)
白血球数 、血小板は減少傾向。
感染予防のため、昨日無菌治療室に移動。


10/9
東海村臨界被ばく患者さんについて(第5報)
平成11年10月9日
東京大学医科学研究所附属病院
 東海村臨界被ばく患者に対するさい帯血の移植は、本日(10月9日(土))午前10時25分に開始され、午前10時28分に無事に終了いたしました。
なお、詳細については本日午後1時からの記者会見で発表いたします。

東海村臨界被ばく患者さんについて(第6報)
本日の容体については、記者会見の際に報告したとおりで、その後変動はありません。
  ・参考
    体温:36.8℃
    血圧:109/59
    心拍数:78/分
    動脈血の酸素飽和度:99%
    白血球数:0/mm3
    ヘモグロビン濃度:9.5g/dl
    血小板数:4.3万/mm3

10/9
東海村臨界被ばく患者さんについて(第8報)
平成11年10月9日(土)
東京大学医科学研究所附属病院
1.患者さんの臨床経過
 ・意識状態は、間欠的に鎮静薬を使用していますので、完全に清明ではありません。
 ・肺の酸素化能の若干の増悪傾向があります。
 ・血圧:136/60mmHg、脈拍数:104/分、呼吸数:12/分、体温:37.5℃(午後4時現在)
 ・白血球、血小板数については依然として低値が継続しています。
 ・感染の徴候は、まだ顕著ではありません。
 ・ゲール教授に適切な助言を頂きました。
2.今後の治療方針
 ・呼吸管理を含め、特に感染に留意し、引き続き全身管理を継続します。
3.その他
 ・予断を許さない状態は依然として続いております。

10/12
東海村臨界被ばく患者さんについて(第9報)
平成11年10月12日
東京大学医科学研究所附属病院
10月12日 経過報告
口唇・口腔粘膜の痛みがやや強くなってはいるが、患者の全身状態は依然として良好である。
感染症の徴候は認めない。
 意識清明
 血圧:122/67、脈拍:67不整なし、体温:36.5℃、動脈血酸素飽和度99%
 白血球数:30/mm3、ヘモグロビン濃度9.5g/dl、
 血小板数:2.9万/mm3

10/13
東海村臨界被ばく患者さんについて(第10報)
平成11年10月13日
東京大学医科学研究所附属病院
10月13日 経過報告
 housyasen障害としての口唇・口腔粘膜の痛みが強くなっているが、患者の全身状態は依然として良好である。感染症の徴候は認めない。
   意識清明
   血圧:118/63、脈拍:74不整なし、体温:36.7℃、
   動脈血酸素飽和度:99%、白血球数:20/mm3、
   ヘモグロビン濃度:8.8g/dl、血小板数:1.0万/mm3

1018
東海村臨界被ばく患者さんについて(第15報)
平成11年10月18日
東京大学医科学研究所附属病院 10月18日 経過報告
口内炎は幾分治癒傾向を認めるが、咽頭痛が強く鎮痛薬を投与している。発熱・炎症反応は持続。肺機能の悪化は認めない。
  意識清明
  血圧:105/59、脈拍76/分、体温のピーク:37.8℃、
  動脈血酸素飽和度:98%、白血球数:10/mm3、
  ヘモグロビン濃度:8.1g/dl、血小板数:2.4万/mm3、
  CRP9.87mg/dl

10/19
東海村臨界被ばく患者さんについて(第16報)
平成11年10月19日
東京大学医科学研究所附属病院 10月19日 経過報告
housyasen障害としての口腔粘膜の痛みにかなり改善傾向が見られる。
  血圧:122/61、脈拍78/分、本日の最高体温38.3℃、
  動脈血酸素飽和度:98%、白血球数:30/mm3、
  ヘモグロビン濃度:8.4g/dl、血小板数:1.3万/mm3、
  CRP10.17mg/dl

10/20
東海村臨界被ばく患者さんについて(第17報)
平成11年10月20日
東京大学医科学研究所附属病院 10月20日 経過報告
咽頭痛と手指の痛みが強く、鎮痛薬の投与を継続している。発熱・炎症反応は持続。肺機能の悪化は認めない。
  意識清明
  血圧:112/72、脈拍87/分、体温のピーク:38.1℃、
  動脈血酸素飽和度:98%、白血球数:60/mm3、
  ヘモグロビン濃度:8.0g/dl、血小板数:4.1万/mm3、
  CRP11.52mg/dl

10/21
1999年10月21日(木) 19時23分
篠原さんの臍帯血移植成功=白血球数が増加−東大医科研病院(時事通信)
 茨城県東海村の臨界事故で被ばくし、重症となっている「ジェー・シー・オー」作業員篠原理人さん(39)について、入院先の東大医科学研究所付属病院(東京都港区)は21日、臍帯(さいたい)血移植によって再生された白血球を確認したと発表した。また、骨髄の染色体分析で、篠原さん本人の白血球も認められたとし、両方の白血球が共存していることも分かった。 
[時事通信社 1999年10月21日 19:23 ]

10/21
東海村臨界被ばく患者さんについて(第18報)
平成11年10月21日   
東京大学医科学研究所附属病院 10月21日 経過報告
 本日、10月18日(月)に施行した骨髄検査結果の全部が判明した。骨髄の有核細胞の染色体分析で患者本人とさい帯血由来の両方の細胞が認められ、混合キメリズム(両方の細胞の共存)が確認された。
 咽頭痛と手指および足底部の痛みは相変わらず強い。皮膚の色調の変化と、手指に加えて顔面の腫脹が出現した。発熱・炎症反応は持続。肺機能の悪化は認めない。
 全身状態は、意識は清明であるが少し疲労の色が見られる。
  血圧:110/66、脈拍87/分、体温のピーク:38.2℃、
  動脈血酸素飽和度:98%、白血球数:100/mm3、
  ヘモグロビン濃度:8.5g/dl、血小板数:2.6万/mm3、
  CRP13.84mg/dl


(-。-)y-゚゚゚

自然housyasenの量 ( 2.4mSV/year = 0.3μSV/hour )
人間が一年間に被曝する自然放射の量はどのくらいでしょうか。実際には、各個人の生活している場所、生活環境や習慣によって大きく異なります。 1988年国連科学委員会の報告では全世界で人類が平均的に被曝している自然housyasenは下の図のように推定されています。全世界平均では年間2.4 ミリシーベルトですが、日本における値は1.4ミリシーベルト(1988年 10月推定値)となっています。

自然housyasenの内訳(全世界平均、1988年国連科学委員会報告)
2.4mSV/year = 0.3μSV/hour

胸部レントゲンのX線 被爆量は、おおよそ 3mSV。

housyasen従事者が労働上許される範囲は、50mSV/年

---------------------------------------------------------------------------
室内のラドン濃度
ラドンは地殻中に存在するラジウム226の娘核種です。気体なので常に表面から大気中に放出されており、その放射能濃度は屋外空気中で1立方メートル中に約5ベクレル程度です。
最近、住居内のラドン濃度の増加が注目されています。昔の日本家屋は木造ですきま風が多かったので室内のラドン濃度はそれほど高くなかったと考えられますが、現在では鉄筋コンクリートの建物が増え、アルミサッシが普及したおかげで室内は密封状態になりやすくなっています。わが国でもコンクリートなどの建築材から放出され室内によどむラドンの濃度は通常屋外の2〜3倍程度高くなっています。

ラドンやその娘核種による体内被曝は、世界の平均でも自然housyasenによる被曝線量の約半分をしめると推定されており、スウェーデンのように特に室内ラドン濃度の高い国ではhousyasen防護の対象として環境問題の重要課題の一つとなっています。

家屋内ラドン濃度と実効線量当量率 ( 0.3mSV/年 〜  7.3mSV/年 )
*  1ベクレル = 27ピコキュリー
** 1ミリシーベルト = 100ミリレム
*** 肺の線量に荷重係数0.12を乗じて全身と等価にした値
(国連科学委員会報告1982)

ラドンとその娘核種は体内被曝の原因となる


ねもと の独り言

10/5
症状からすると5万ミリシーベルトぐらい浴びているのかもしれない。
少なくとも徐々に浴びたとしても、1万ミリシーベルト以上のhousyasenを浴びていることと推測する。
housyasen医学総合研究所(千葉市)は2日大内久(35)さんの被爆量がhousyasenによって出来た血中ナトリウム24の量から約17シーベルト相当と推定されるとした。職業上被爆の年間の最高限度の340倍。

いったいどのぐらいの作業距離だったのだろう。
新聞の現場写真を見ると、手作業だったと言うことだから、1m以内の作業距離と言うことになる。

たとえば、5万ミリシーベルトを最初の10分間で1mの距離で浴びたとしよう。

半径100mの人たちは、5ミリシーベルト(mSV)/10分、浴びたことになる。
半径500mの人たちは、0.2mSV/10min
半径 1Kmの人たちは、0.05mSV/10min
半径 5Kmの人たちは、0.002mSV/10min
半径 7Kmの人たちは、0.001mSV/10min
となる。

TV報道は多分、12時ごろから、報道されていたような気がする。
そのころ、まだ現場からは4000mSV/時のhousyasenが観測されていると言うようなことを報道していた気がする。
と言うことは、
半径100mの人たちは、0.4mSV/hour
半径500mの人たちは、0.016mSV/hour
半径 1Kmの人たちは、0.004mSV/hour
半径 5Kmの人たちは、0.0002mSV/hour
半径 7Kmの人たちは、0.0001mSV/hour
となる。

一つ不思議なことがある
JCOの測定値には事故発生時のデータがないのか?
あるいは測定してなかったのか、中性子は飛び交ったが、ガンマー線が検出できなかったのか。

10/15
その後、続々と生データ?が、発表された。

10/16
今日で事故発生後約2週間、被爆者の病状は、56歳の人はさらに白血球が下がり始めているようだ。
35歳の人は、臍帯血輸血にて一時回復した白血球数もまた下がり始めている。

10/20
朝日新聞、臨界直後のhousyasen物質飛散量をチェルノブイリの100分の1と発表。
茨城県立医療大学加藤和明教授(housyasen安全科学)がまとめた。
そのhousyasen濃度は1立方メートルあたり、おおよそ30万キューリー(1キューリー=370億ベクレル)
(1mSV/年=17ベクレル/m3)(4×10-2μGy/時×24時間×365日×0.8(μSv/μGy)=0.28mSv/年
という数値を使って、
これを実効housyasen量等量率に換算すると、9.2×10^8Gy/h=9億2千万Gy/hという数値になる。
年間で6.5×10^15mSV/h=65兆シーベルト/年

これはすごい値だ。信じられない。
原子力安全委員会の住田健二委員の推測によれば、核分裂したウランの量は0.4mg(ウラン原子10^18個)である。
加藤教授は、この数値をアメリカの核兵器関連実験データなどをもとに事故発生1分後の核分裂生成物量を
約30万キューリーと推定した。


10/1
被ばく者数(12時05分現在)
平成11年10月1日
科 学 技 術 庁
JCOの従業員(関連会社を含む)
・作業中に被ばくしhousyasen医学総合研究所に搬送されたもの              3人
・ホールボディカウンタにおいてNa−24が検出され被ばくしたと考えられるもの  36人
住民
・JCO西側敷地境界近くにあるゴルフ練習場の建設現場で、足場の組立作業を実施しており、
ホールボディカウンタにおいてNa−24が検出され被ばくしたと考えられるもの    7人
東海村消防署員
・JCO従業員(作業をしていた3人)の搬送作業に従事しており、ホールボディカウ
 ンタにおいてNa−24が検出され被ばくしたと考えられるもの           3人

                                    合 計 49人

1999年10月16日(土) 6時11分
<臨界事故>事故直後の被ばく者数が69人に増加 事故調査委(毎日新聞)


 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」(JCO)東海事業所の臨界事故で、これまで49人とされていた事故直後の被ばく者数が、その後の調査で69人に増えたことが、15日開かれた国の原子力安全委員会の事故調査委員会(委員長・吉川弘之日本学術会議会長)で科学技術庁から報告された。また、臨界を終息させるための水抜き作業などを直接担当した作業員24人全員の被ばくが確認され、うち1人の被ばく線量は約120ミリシーベルトと、housyasen作業従事者の緊急時許容線量の100ミリシーベルトを超えていたことも分かった。

 科学技術庁によると、事故当時、社員22人がガンマ線計測用のフィルムバッジを着用していたことが新たに分かり、うち2人はすでに被ばくが確認された49人に含まれていたが、残る20人もバッジから被ばくが確認された。20人の被ばく線量の最大は3・9ミリシーベルトだった。まだ未測定のバッジが15人分あり、さらに被ばく者数が増える可能性もあるという。

 一方、1日未明から朝にかけ臨界を起こした沈殿槽の冷却水を抜くなどの直接の作業をして被ばくした作業員は、これまでの14人から24人に増えた。

 このうち転換試験棟に最初に近づき写真を撮影した1人の中性子線とガンマ線を合わせた被ばく線量が当初の約20ミリシーベルトではなく、119・79ミリシーベルトに達していたことが分かった。中性子線の線量計が100ミリシーベルトに達すると、0に戻ってカウントする仕組みになっていたため間違ったという。

10/26
朝日新聞解説では、
追加の20人はフイルムバッジから被爆が分かったと説明している。
γ線を記録するフイルムの測定値は6.4〜0.1ミリシーベルトが記録されていたと。

被爆者は翌日現場に突入した計画被爆者が14名これの中には50ミリシーベルトを超えたものもいた。
しかし、この83人だけが被爆者とはいえない。
事故当時敷地内には124人いた。フィルムバッジをつけてないものもいた。

被爆量を推量する重要なデータは、作業員が持ち歩いた線量計だ。
線種も表示してくれる。おおむね中性子はγ線の10倍だった。
3人を診察したhousyasen総合研究所は被爆の85%は中性子で15%がγ線にいるものと推定している。

中性子線は現場から2Km離れた原研那珂研究所の測定器で観測できたから少なくとも2Km届いている。
最初のピークを含む2分間の平均は1時間当たりにすると0.11μSVだった。


10/1   平成11年10月7日事故調査対策本部  Na-24測定値 発表


10/1
SPEEDIによるモニタリング結果  γ線 観測点

17:00〜18:30ごろまでJCOから約2kmにある日本原子力研究所那珂研究所では、南風が吹いた。
その影響と思われるが、常陸太田でも18:00の計測で普段の10倍に当たる0.49μSV/hが計測された。
19:00には0.19μSV/hまで減弱していた。
参考までに東海サイクル機構東海事業所観測での当時のデータを示す。
1999/09/30 18:00時
舟石川0.049μGy/h、地上70m東南東 2.0m/min, 地上10m南南西 1.4m/min
,22.7℃,92.9%,降雨9.5mm/h,大気安定度D

参考値、自然housyasen 0.3μSV/h=0.3μGy/h


10/1
株)JCO敷地内のモニタリング結果
平成11年10月1日
科 学 技 術 庁
1. 現地STA対策本部からの報告(平成11年10月1日0時50分)に
  よると敷地内のγ線及び中性子線の線量は別紙のとおりであり、事故現場では、現場推定:中性子線 18mSv/hである。
2. その他の地点(敷地内)で最大のγ線は20mSv/hで、中性子線は
  10mSv/h以上となっている。

10/1
株)JCO事故の周辺環境housyasenモニタリング結果
平成11年10月1日
科 学 技 術 庁
1. (株)JCO周辺線量当量率時系列測定値
  ・ 11:36〜11:50時のγ線でNo4ポイントで最大値を示し、 0.84mSv/hであった。周辺のバックグラウンドが 0.0034
    mSv/hであることから 約250倍となる。
  ・ その後19:09〜19:22時のγ線で同じNo4ポイントで 0.50mSv/hに減少し、中性子線で 4.5mSv/hであった。
  ・ 21:04〜21:19時のγ線で同じくNo4ポイントで 0.41mSv/h、中性子線で 3.5mSv/hであり、γ線で約0.1mSv/h、
    中性子線で1mSv/hほど減少している。
 (・ 23:25〜23:35時のγ線で全体的には減少しているが、No12、No13ポイントでγ線 0.0003〜4mSv/h高くなっている。)


上記データよりの
第4地点と第6地点の初期線量推測図(指数関数回帰)

第4地点と第6地点の拡大図

この結果では、事故現場から地点4と6は約50m位の所にある。現場10m周囲のhousyasen量を推定すると400mSV/hの25倍である1万mSV/h事故当時中性子が飛んだことになる。1m周囲では100万mSV/h位になるだろう。


2. 周辺環境の環境housyasen
  ・ (株)JCOから約2kmにある日本原子力研究所那珂研究所敷地周辺線量当量は、10:37、γ線でMP-1で0.18mSv/hであり、
    中性子線は0.25mSv/hであった。10:49、γ線で 0.15mSv/hであり、中性子線は 0mSv/hであった。
  ・ その後16:27、γ線でMP-2で 0.94mSv/hであり、中性子線は 0.017mSv/h(MP-1)で最大値を示した。
  ・ その後γ線及び中性子線とも下がっているが、19:22現在で 0.091mSv/h(MP-2)で、バックグラウンドの約2倍程度で中性
    子線は0.084mSv/hである。
  ・ 10月1日の0時頃一時的にMP-1及びMP-2で(2分間)γ線及び中性子線も上昇があったが、その後下がり、γ線で 0.07mSv/h
    程度、中性子線で 0.01mSv/h程度である。


  那珂研究所のモニタリングポスト No.1(MP-1)、モニタリングポスト No.2(MP-2) 及びサーベイポイントの位置


環境モニタデータ一覧(1990/09/30 10:00〜11:02) ポスト1(MP-1)、ポスト2(MP-2)

環境モニタデータ一覧(1990/09/30 11:03〜12:05)


那珂研究所のモニタリングポスト No.1(MP-1)、モニタリングポスト No.2(MP-2)及びサーベイポイントの線量等量率測定結果(1/2)

注)単位 マイクロシーベルト = 1/1000ミリシーベルト

那珂研究所のモニタリングポスト No.1(MP-1)、モニタリングポスト No.2(MP-2)及びサーベイポイントの線量等量率測定結果(2/2)

注)単位 マイクロシーベルト = 1/1000ミリシーベルト

この結果から、現場10m周囲の中性子線量推定すると、2Km離れた所で、0.25mSV/hだから4万倍の1万mSV/hであろう。
この数字は、JCOの地点4と6で測定した結果から指数関数的に求めた数値と一致する。


3. 核燃料サイクル開発機構の環境モニタリング結果  (mGy/h≒mSv/h)
 これは10/16のものである

 ・ (株)JCOから約4kmにある核燃料サイクル開発機構のモニタリングの結果は
    10:40の舟石川(ST-2)(旧東海村役場)のγ線で 0.038μGy/h(最大)で
    バックグラウンドは 0.035μGy/hであることから0.003μGy/h程度のわずかな上昇であった。
    他のモニタリングポイントのバックグラウンドは 0.031〜0.043μGy/hであった。
  ・ その後19:05、舟石川(STー2)のγ線で 1.57μGy/hが最大であった。
  ・ 風向が変わって21:35、P-6(サイクル機構内)でγ線 0.19μGy/hであった。
  ・ その後21:50、ST-1(サイクル機構内)でγ線で 0.25μGy/h、
    22:09でP-6(サイクル機構内)で 0.27μGy/h、
    22:16、ST-5(サイクル機構内)で0.24μGy/hであった。
  ・ 10月1日の1時42、ST-2でγ線で0.72μGy/hであったが、その後下がっている。

 本測定は、NaI(Tl)シンチレーション検出器による検出されたもので1時間の平均値で示しています。今回検出された最大値は、29.6×10-2μGy/時(約0.3μGy/時)で平常の約10倍程度に相当します。なお、降雨によっても平常の数倍程度の変化が見られます。
事業所外空間γ線量
上図数値データ
,空間γ線量率  単位:×10-2μGy/h,,,,,,,,,,,,,気象データ,,,,,,,
,事業所外,,,サイクル機構東海事業所内,,,,,,,,,,サイクル機構東海事業所観測,,,,,,,
測定日時, 舟石川,,10m風向,10m風速m/s,気温℃,湿度%,降水量mm,大気安定度区分
1999/09/30 09:00, 3.5,,ENE,1.2,23.1,89.9,0.0,B
1999/09/30 10:00, 3.5,,E,2.3,24.2,84.3,0.0,A-B
1999/09/30 11:00, 3.6,,E,2.8,24.6,83.0,0.0,A-B
1999/09/30 12:00, 3.6,,E,3.4,24.5,83.1,0.0,B
1999/09/30 13:00, 3.6,,ENE,4.2,24.6,82.1,0.0,C
1999/09/30 14:00, 3.6,,E,3.2,24.4,83.0,0.0,B-C
1999/09/30 15:00, 3.6,,E,2.2,24.2,83.6,0.0,B
1999/09/30 16:00, 3.5,,E,2.4,24.0,83.9,0.0,D
1999/09/30 17:00, 3.5,,NW,1.0,23.6,87.0,0.0,D
1999/09/30 18:00, 4.9,,SSW,1.4,22.7,92.9,9.5,D
1999/09/30 19:00, 6.2,,NW,1.8,22.6,94.8,0.5,D
1999/09/30 20:00, 29.,CALM,0.0,22.5,95.3,2.0,D
1999/09/30 21:00, 9.0,,NNW,1.8,22.3,95.5,0.5,D
1999/09/30 22:00, 20.,NW,2.0,22.3,95.6,2.5,D
1999/09/30 23:00, 6.2,,NNE,1.0,22.0,95.6,0.5,D
1999/10/01 00:00, 4.7,,NE,1.9,20.7,92.1,0.0,D
1999/10/01 01:00, 5.5,,W,1.2,20.3,92.5,0.0,D
1999/10/01 02:00, 18.,NNW,1.8,20.4,94.6,0.0,D
1999/10/01 03:00, 4.3,,NW,1.5,20.3,94.2,0.0,D
1999/10/01 04:00, 3.6,,N,1.4,20.2,93.7,0.0,D
+++++++++++++++++++
<補足>
私たちは日常生活でいつもhousyasenを受けています。身体に受けるhousyasenの量はmSv(ミリシーベルト)という単位で表します。
 これは、宇宙からの宇宙線や、大地、食物に含まれる天然の放射能からのhousyasenによるものです。その量は1人当たり年間1.1mSvになります。(天然のラドンなどによるものを除く)
 この他、病院でのレントゲン検査で受けるhousyasenや、原子力施設などで発生するhousyasenがあり、これらを人工housyasenと呼んでいます。

モニタリングポスト等での測定値は3〜4×10-2μGy/時であることから、これを年間の線量当量に直すと次のようになります。
4×10-2μGy/時×24時間×365日×0.8(μSv/μGy)=0.28mSv/年
これは、日本での大地から受ける線量とほぼ同じレベルであることが分かります。
+++++++++++++++++

4. 環境試料(空気、土壌)のモニタリング結果
  ・ (株)JCOから約2km地点の三菱原子燃料入口、那珂研究所グラウンド、本米崎石神外宿での空気中の放射能モニタリングの結果、
    Cs-138で 4.46x10-4Bq/cm3(検出下限:3.18x10-4)であったが、告示限度以下であった。
    ※ 線量当量限度などを定める告示ではCs-138を経口摂取する場合で実効線量当量1mSvになる濃度限度は5x10-5である。
  ・ 各地点の土壌の分析結果全て検出限界以下で検出はされなかった。
  ・ 空気中の放射能(ダスト)のモニタリングの結果、Cs-138で1.7x10-3Bq/cm3で告示限度の5x10-3Bq/cm3
    より低い値であった。
  ・ サイクル機構、原研東海のモニタリングステーションにおいては検出されていない。

平成11年10月3日

○県は,このたびの事故発生に伴い,関係原子力事業所(日本原子力研究所等)と協力して,事故発生事業所周辺のモニタリング調査を実施している。

○現在までに,判明しているhousyasen濃度の測定結果は次の表のとおりである。

種   別 調 査 数 結果判明数 housyasen濃度測定結果
水道水 16地点 16地点 γ線核種不検出
井戸水 20地点 20地点 γ線核種不検出
雨水 2地点 2地点 γ線核種不検出
海水 4地点 4地点 γ線核種不検出
土壌(注1) 11地点 11地点 ・セシウム137
 0.0013〜0.026Bq/g
・ナトリウム24
 0.0017〜0.13Bq/g
(那珂町額田・東海村舟石川
東海村石神外宿)
ダスト(空気中じん埃) 10地点  6地点 γ線核種不検出
連続ダスト(注2) 8地点 8地点 ・γ線核種不検出(7地点)
・ストロンチウム91
 0.021Bq/m3(注3)
(東海村舟石川)
合   計 71地点:検体 67地点:検体  

注1:東海大洗地区における土壌中のセシウム137の通常値は,
   0.001〜0.037Bq/gとなっている(環境housyasen監視季報)
注2:モニタリングステーションで常時捕集しているダスト
注3:周辺監視区域外における空気中の濃度限度値(500Bq/m3)の約2万5千分の1

10/1環境housyasen観測車による空間γ線サーベイ結果(平成11年10月1日測定)


10/2
水道水の取水再開について(茨城県)
平成11年10月2日
1 東海村の取水再開
 東海村は,久慈川からの取水を停止(9月30日 13:35)していたが,10月1日の22:00に取水を再開した。
 理由 ウラン及びγ線の安全が確認されたため

2 那珂町取水再開
 那珂町は,久慈川からの取水を停止(9月30日 14:50)していたが,10月2日の8:20に取水を再開した。
 理由 ウラン及びγ線の安全が確認されたため


10/2
東海村ウラン加工施設事故に関する河川等の水質検査結果について

茨城県土木部(河川課・下水道課)

平成11年10月2日 15:30 
1 河 川
調査実施機関:建設省常陸工事事務所 分析等委託先:株式会社 科研
測定方法・項目:現地採取水の室内分析(ICP−MS)・トータルウランの量
河川名 地点 採水時刻 測定結果 備考
久慈川 那珂川水道取水口 9/30 21:20 < 0.0002mg/I *0.002mg/I以下(指針値)
幸久橋 9/30 21:35 < 0.0002mg/I
那珂町・常陸太田市の境 9/30 21:55 < 0.0002mg/I
榊橋 9/30 22:23 < 0.0002mg/I
前川桶管 9/30 22:40 < 0.0002mg/I
久慈大橋 9/30 23:05 0.00028mg/I
○測定結果は,指針値の0.002mg/Iを一桁下回っている。
○久慈大橋については,感潮区間でもあり,潮の影響から他の地点より多少大きな数値が観測された。

 
調査実施機関:茨城県 分析等委託先:株式会社 科研
測定方法・項目:現地採取水の室内分析(ICP−MS)・トータルウランの量
河川名 地点 採水時刻 測定結果 備考
早戸川 紅葉橋 10/1 13:10 < 0.0002mg/I *0.002mg/I以下(指針値)
新川 新川橋 10/1 13:40 < 0.0002mg/I
茂宮川 南高野橋 10/1 13:50 0.00051mg/I
○測定結果は,指針値の0.002mg/Iを一桁下回っている。
○茂宮川(南高野橋)については,感潮区間でもあり,潮の影響から他の地点より多少大きな数値が観測された。

*厚生省の「水道水質に関する基準値の制定について」(平成4年12月21日付衛水264号)
 における水道監視項目としての基準値は,0.002mg/I

2 下水道(那珂久慈流域下水道那珂久慈浄化センター(ひたちなか市長砂地内))
調査実施機関:茨城県 分析等委託先:株式会社 科研
測定方法・項目:現地採取水の室内分析(ICP−MS)・トータルウランの量
場所 種別 採水時刻 測定結果 備考
浄化センター 流入水 10/1 9:00 < 0.0002mg/I *0.002mg/I以下(指針値)
放流水 10/1 9:00 < 0.0002mg/I
井戸水 10/1 9:00 < 0.0002mg/I
○測定結果は,指針値の0.002mg/Iを一桁下回っている。

*下水道では,ウラン等の放射性物質の流入,放流基準等は,定められていない。


(株)ジェー・シー・オー事業所周辺の環境housyasenモニタリング調査の結果について(第4報)

生活環境部


保障措置査察官のフィルムバッチ(中性子)の測定結果について
平成11年10月12日
科学技術庁 原子力局
国際協力・保障措置課
 9月30日、JCOで臨界事故が発生しましたが、事故現場より約1キロメートル離れた三菱原子燃料(株)において、保障措置に係る査察を実施していた科学技術庁保障措置室の職員(3名)及び査察に関連する測定の補助業務を実施していた(財)核物質管理センターの職員(9名)が着用していたフィルムバッチの中性子による被ばく線量を測定した結果は、12名共、検出限界(0.1ミリシーベルト)未満でした。
 (問い合わせ先)科学技術庁原子力局国際協力・保障措置課
                       保障措置室長 吉井(内線685)
--------------------------------------------------------------------------------
参考
保障措置査察官のフィルムバッチ(中性子)の測定結果について
査察実施状況
場所:三菱原子燃料(株)東海製作所(JCO(株)より南西約1km)
日時:平成11年9月30日(木)10時頃〜17:30分頃
査察官等:
  ・科学技術庁保障措置室      3名
  ・(財)核物質管理センター    9名
査察の内容:帳簿検査、員数勘定及び核燃料物質の非破壊測定など
      今回は、年1回の棚卸査察のため施設全域に亘って作業を実施
      した。
フィルムバッチの測定結果
 査察業務を実施する際、科学技術庁の職員及び(財)核物質管理センターの職員の各自が着用していた中性子線を検知するフィルムバッチの測定結果は、12名全員、検出限界(0.1ミリシーベルト)未満であった。

その他
 科学技術庁の職員1名及び(財)核物質管理センター職員9名は9月30日の作業終了後、同センターを経由して帰宅。
 また、科学技術庁の職員2名は9月30日の作業終了後、次の日に予定されていた査察のため、東海村内のホテルに待機。そのうちの1名は翌10月1日の午後3時過ぎに帰京。もう1名は、10月1日の午後3時過ぎから午後6時半頃まで、三菱原子燃料(株)において(財)核物質管理センター職員1名と査察機器の梱包作業等を行った後帰京。


<対策>

三菱原子燃料(株)東海製作所への立入検査結果
施設の概要
○所在地:茨城県那珂郡東海村大字舟石川(昭和47年事業許可取得)
○事業概要:軽水型原子力発電所用燃料及び高速増殖炉用ブランケット燃料の製造
○核燃料物質の最大処理能力:
   転換加工            ・・・ 450tU/年
   ウラン回収(スクラップ)    ・・・  25tU/年
検査日時等
 平成11年10月4日(月)15:30〜20:10
 平成11年10月5日(火)9:00〜16:40
 先方対応者:塩川生産本部取締役副本部長他
検査結果
(1)施設・設備、作業・運転方法等
 1) 同施設では、転換加工設備とウラン回収設備で液体状のウラン(濃縮度5%以下の濃縮ウラン、天然ウラン及び劣化ウラン)を取り扱っている。
 2) 同施設では、転換加工設備とウラン回収設備で液体状のウラン(濃縮度5%以下の濃縮ウラン、天然ウ転換加工設備については、申請書上、加水分解装置から遠心分離器までの溶液を扱う系統及び乾燥機から粉砕器までの設備において、貯槽及びロータリーキルンは形状管理を、遠心分離器、乾燥機及び粉砕機は寸法制限値を設けて臨界管理を行うこととなっている。申請書に記載された管理が適切に行われていることを確認した。
 3) 同施設では、転換加工設備とウラン回収設備で液体状のウラン(濃縮度5%以下の濃縮ウラン、天然ウこのうち、乾燥機については、乾燥機内の重ウラン酸アンモニウム(ADU)の厚さが変動するため、仮に同設備に故障が生じた場合でも制限値を超えることのないよう、乾燥機へのADUの供給が停止するインターロックが設けられていること、この機能を維持するため、事業者が保安規定に基づき年1回の頻度で点検を行っていることを確認した。
 4) 同施設では、転換加工設備とウラン回収設備で液体状のウラン(濃縮度5%以下の濃縮ウラン、天然ウウラン回収設備については、申請書上、仮焼炉を除き質量管理がなされることとなっているが、申請書に記載された管理が適切に行われていることを確認した。
 5) 同施設では、転換加工設備とウラン回収設備で液体状のウラン(濃縮度5%以下の濃縮ウラン、天然ウまた、ウラン回収設備の沈殿槽は溶解槽の5倍の容量となっており、作業員が直接ウランを投入することが可能な構造となっているが、仮に沈殿槽に一杯の溶液が入ったとしても臨界にはならないことを確認した。なお、沈殿槽内に液が入っていると溶解槽から沈殿槽内に液を送れないインターロックが設けられていることを確認した。
 6) 同施設では、転換加工設備とウラン回収設備で液体状のウラン(濃縮度5%以下の濃縮ウラン、天然ウ成型工程、組立工程は、申請書上、質量制限、寸法制限により管理を行うこととなっている。質量に係る核的制限値を設定している設備については、質量制限値以上の量の核燃料物質が容量的に入らないようになっていること及び寸法制限されている設備についても問題のないことを現地において確認した。
(2)教育・訓練
 1) 現場での作業は、同社が作成した作業標準書に従って行われていること、同作業標準書には、保安規定に定められた臨界安全管理の操作上の留意事項が規定されていることなどを確認した。
 2) 同社では、作業を行う工程毎に、その作業を行うために必要な経験年数、熟練度等に応じて4段階の社内資格を設けており、作業者はその認定資格に応じて作業可能な工程が限定されていることを確認した。
 3) 同社における教育は、基本的にOJTで実施されているが、臨界安全管理を含めた安全管理については、年1回の頻度でhousyasen業務従事者を対象とした教育も実施されていることを確認した。
(3)結論
 臨界管理を中心として、総点検を実施した結果、施設・設備、作業・運転方法、教育訓練等に関する安全性を確認した。

原子燃料工業(株) 東海製造所への立入検査結果
施設の概要
○所在地:茨城県那珂郡東海村村松(昭和53年許可取得)
○事業概要:
1)加工施設
 BWR型、PWR型及びATR型燃料集合体並びに高速増殖原型炉ブランケット燃料の製造
2)使用施設
 分析に関する試験・研究、HTTR用取替燃料の製造、廃棄物処理に関する試験・研究など
○核燃料物質の最大処理能力:加工施設  ・・・  200トンU/年
検査日時等
 平成11年10月4日(月)15:30〜20:10
 10月5日(火) 9:00〜14:30
 先方対応者:仲村副所長他
検査結果
(1)施設・設備、作業・運転方法等
 1) 同施設には加工施設と使用施設があり、それぞれ湿式のウラン取扱い工程が存在するが、これらの設備については、取扱量が少ないこともあり、大部分が質量管理によるものである。また、乾式のウラン取扱い工程については、質量制限、容積制限、寸法制限などの管理を行っている。これらについては、申請書に記載された管理が適切に行われていることを確認した。
 2) 特に湿式工程については、各機器毎に1日に1バッチしか取扱わない管理としており、この作業については、作業指示書及び日程表のもと、1日の処理量が質量制限値以下になるよう、あらかじめ決められているため、臨界になることはない。
 3) さらに、使用施設の湿式工程においては、質量管理をしている溶解槽から同じく質量管理をしているADU生成槽にウラン溶液を送液する際には、所定の量以上の液量が溶解槽にない場合は送液できないというインターロックが存在するという対応もなされている。このように、使用施設の臨界管理方法に問題がないことを確認した。
 4) また、加工施設の湿式工程においては、重ウラン酸アンモニウム(ADU)生成槽(400リットル)に関して、溶解槽からADU生成槽へダイレクトに送液する場合には、作業標準書においては、作業者によるADU精製槽が空であることの確認がなされることになっている。
(→改善指示事項:作業記録項目にADU精製槽が空であることの確認がないため、これを入れて作業記録項目を一部補正するよう改善指示した。)
 5) 加工施設の焼結ペレットの研削工程において、ペレットの研磨くずを研磨液ろ過装置により遠心分離回収しているが、これは質量管理により行われている。
 研磨くずは水と共に研磨液ろ過装置内の回転体に流入するが、定期的に回転体を交換することで管理している。
(→改善指示事項:この回転体の回収のタイミングは、ペレット500kg研 削毎に行うことになっているが、簡単な作業手順書があるのみなので、この部分の作業標準書を整備するよう改善指示した。)
(2)教育・訓練
 1) 教育訓練については、保安教育が実施計画書に基づき毎年実施されており、実施記録により実施されていることを確認した。
 2) 臨界教育については、新入社員教育時及び保安教育において、安全作業標準を教育している。この安全作業標準には臨界の記述があり、質量制限値を守ることが明記されている。なお、保安教育自体は毎年行われるが、安全作業標準の教育については毎年行われていない。
(→改善指示事項:安全作業標準のうち、重要なものについては、毎年教育を行うよう、改善指示した。)
(3)結論
 臨界管理を中心として、総点検を実施した結果、施設・設備、作業・運転方法、教育訓練等に関する安全性を確認した。
 改善指示事項については、10月15日(金)までに報告を受け、必要であれば、再度、現地で確認することとする。


<事故原因>

10/19
沈殿層内ウラン溶液の試料採取について
平成11年10月19日
科学技術庁事故調査対策本部
明日(10月20日)、当庁は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第68条第1項の規定に基づく立入検査の一環として、沈殿槽内のウラン溶液の試料を収去することとし、下記職員を派遣することとした。
     原子力安全局原子力安全課長      広瀬 研吉
        〃  核燃料規制課課長補佐   梶田 啓悟
当庁職員立ち会いの下、(株)ジェー・シー・オーは、明日午後1時頃から、沈殿槽内のウラン溶液の試料採取を行う予定である。
同試料の輸送及び分析は、当庁から日本原子力研究所に依頼しており、同日、日本原子力研究所東海研究所に搬送することとしている。

10/19
1999年10月19日(火) 19時11分
<臨界事故>木谷社長は疲れた表情で、かみ合わない答弁繰り返す(毎日新聞)
 「安全成績は優秀でこれまで事故はなかった」「コストダウンのための施設を建設中だったが…」。19日午前、衆院科学技術委員会で行われた「ジェー・シー・オー(JCO)」の木谷宏治社長と越島建三東海事業所長の参考人招致。6月に就任したばかりの木谷社長は地元の茨城県や東海村などへの連日のおわび行脚に疲れ切った表情で、かみ合わない答弁を繰り返した。
 木谷社長は経営責任を問われると、「前社長との引継ぎは新しいプロセスの導入によって、企業としての生き残りを図りたいという話だった」と、厳しい経営環境にあったことを打ち明けた。続いて社長就任の時のあいさつ文書を長々と棒読みし、北側一雄委員長(公明)から「簡潔に」と諭される場面も。
 臨界事故の原因となった違法マニュアルの存在について、飯島忠義氏(自民)から「違法作業を十数年続けて来たのではないか」と質されると、「安全成績は優秀でこれまで事故もなかった」とかみ合わない答え。「年数を聞いている」と問い詰められると、「事業所の操業に関することで、十分な認識ができていませんので、事業所長から答えさせます」と、答弁を避けた。
 越島所長は「安全のための審査システム、管理システムに非常に問題があったと思う。ヒューマンエラーへの対策が大変不足していた」と責任を明確に認めたが、質問にはその都度「お答えします」と前置きし、落ち着いた様子だった。
 民主党のネクストキャビネットで文部・科学技術担当大臣の松沢成文氏は、「小渕総理が現地に行ったのは発生から1週間後だった。内閣改造を優先させたのではないか」と政府の対応の遅れを追及。中曽根長官は「現地に行ったのは遅かったが、事故原因の究明、適格な処理が必要と考えた。事故はあくまでも違法な操業が原因」などとJCOの「事業者責任」を強調するなど防戦一方だった。
[毎日新聞10月19日] ( 1999-10-19-13:20 )

10/20
1999年10月20日(水) 22時26分
ウラン溶液のサンプル採取終了=原研で濃度など分析へ−JCO事業所(時事通信)
 茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所の臨界事故現場で行われていた、ウラン溶液のサンプル採取作業は20日午後、終了した。科学技術庁の立ち入り調査の一環で、同庁職員2人も立ち会った。採取された約50ccのサンプルは原因究明や放射性物質の処理を検討するため、日本原子力研究所(原研)東海研究所が約1週間かけてウラン濃度などを分析する。
 実際の作業はJCO従業員15人で実施。臨界事故のあった転換試験棟内では、作業員8人が2人1組で4班に分かれ、完全防護服と全面マスクを着用した。 
[時事通信社 1999年10月20日 22:26 ]

10/21
1999年10月21日(木) 20時11分
<臨界事故>濃縮ウランの大量投入作業を独断で認める 事業所長(毎日新聞)
 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所の臨界事故で、同事業所の越島建三所長は21日、臨界管理上、濃縮ウランを一度に2・4キロ以上扱わないことを前提に事業許可を受けながら、最終工程(製品溶解)で一度に16キロを扱う作業を独断で続けていたことを認めた。同県警捜査本部は、原子炉等規制法違反(施設の無許可変更)にあたる疑いが強いと見て捜査する。
 越島所長は、同日行われた東海村議会原子力問題特別委員会の現地視察で「(16キロ扱う作業に)違法性はないと考えていたが、拡大解釈だった」と述べた。
 同事業所は、国の許可を得ていないステンレス製バケツを使う作業を定めた「違法マニュアル」を作っていたことが分かっているが、今回、新たな違法作業が分かったことで、許認可に対する同社のずさんな認識が改めて示された。監督官庁の科学技術庁の責任も問われそうだ。
 JCOは1983年11月、科技庁から濃縮度18・8%程度のウランの場合、一連の工程を2・4キロ以下で管理することを前提に許可を得ていた。
 しかし、申請は最終工程について明記しておらず、JCOは「2・4キロの重量制限は、(申請に明記した)精製工程にかかるだけ」と勝手に解釈。16キロ貯塔に入れる作業を常態化させていた。
 JCOはこれまで、「ウランを投入する貯塔は『形状管理』されており、質量制限はない」「許認可上問題ない」と説明してきたが、科技庁は「許可内容と異なる」と指摘していた。
[毎日新聞10月21日] ( 1999-10-21-18:52 )

10/22
1999年10月22日(金) 6時11分
<臨界事故>3人以外に仕事内容知る人いた 会社側責任、強まる(毎日新聞)
 JCO東海事業所の臨界事故で、被ばくした3人のリーダー格の副長(54)が、事故の起きた最終工程(製品溶解)に入る直前、別の社員に「沈殿槽にウラン溶液7バッチ(ウラン量約16キログラム)を入れても大丈夫だろうか」と相談、この社員が「大丈夫ではないか」と回答していたことが21日、分かった。同日、記者会見した同社の小川弘行・製造部計画グループ長が明らかにした。3人以外にも、作業内容を知っていた社員がいたことで会社側の責任がさらに強まりそうだ。
 会社側は相談を受けた社員について「直接の上司ではないが、臨界管理について一定の知識を持っており、同工程に関係した社員」などと説明している。
 説明によると、製品溶解工程は9月29日午後から始まったが、副長は直前の昼休み、この社員に「沈殿槽にウラン溶液7バッチを入れても大丈夫だろうか」と立ち話で質問した。社員は即答はせず、午後に入り3人が転換試験棟内で作業を始めた後、「大丈夫ではないか」と電話で答えたという。社員は製造部所属ではなく、副長らの上司でもないが、臨界管理について知識を持っていたため、相談を持ちかけられたとみられるという。
 同社はこれまで「作業は事故を起こした3人の発案で、上司の指示はなかった」と説明してきた。
[毎日新聞10月21日] ( 1999-10-21-21:17 )

10/23
1999年10月23日(土) 20時34分
<臨界事故>事前相談の社員は「核燃料取扱主任者」(毎日新聞)
 茨城県東海村のJCO東海事業所の臨界事故で、被ばくした3人のリーダー格の製造グループ副長から、事故原因となった沈殿槽へのウラン溶液投入を事前に相談された社員は、今回の作業工程の計画立案に携わり、臨界についても専門知識を持つ「核燃料取扱主任者」の資格を持つ社員だったことが23日、明らかになった。
[毎日新聞 10月23日]

10/23
1999年10月23日(土) 0時23分
<臨界事故>ウラン溶液は推定量の半分と判明 JCO調査で (毎日新聞)
 茨城県東海村の核燃料加工会社JCO東海事業所の臨界事故で、臨界を起こした沈殿槽内のウラン溶液の液量が、当初推定されていた40リットルよりも約20リットルも少なかったことが、科技庁の指示を受けたJCOの調査で22日、分かった。宮嶋良樹・JCO取締役は記者会見で「詳しい調査が必要」と話した。
[毎日新聞 10月23日]

10/23
1999年10月23日(土) 9時53分
<臨界事故>「人為ミスは起きない」発想に問題 米専門家会見(毎日新聞)
 茨城県東海村の臨界事故を視察調査した米エネルギー省の専門家が米国に帰国し、22日、記者会見した。専門家は「日本の安全管理は作業員が正しく作業することに過度に頼っている」と述べ、「人為ミスは起きない」とする日本の発想そのものに問題点が潜んでいると分析した。
[毎日新聞 10月23日]